【症例記事】動悸・体中のムズムズでお悩みだった46歳女性のケース

本記事のポイント

この記事では、
・動悸や胸の圧迫感
・体中のムズムズ、ソワソワ感
・睡眠の不調や強い不安感
といった自律神経の乱れが疑われる症状に悩まれていた患者さんのケースをご紹介します。

 

どのような経緯でご来院されたのか、検査でわかった身体の状態、実際の施術内容、そして改善に至るまでの流れをまとめています。

 

同じような症状でお困りの方の参考になれば幸いです。

主訴・患者データ

患者さん:46歳/女性/主婦
主訴:動悸・体中のムズムズ(首から下)
その他の症状:下肢のソワソワ感(揺らしていたくなる)
動悸・胸の圧迫感
入眠困難・中途覚醒
強い不安感があり、下痢しやすい体質

来院までの経緯

1年ほど前から中途覚醒が続き、その際に起こった動悸がきっかけとなり、眠れない日が増えていったとのこと。

さらに半年ほどは下痢が続き、内科で処方された薬により腸の調子は改善したものの、別の薬が合わず睡眠不足や食欲不振が悪化。

 

その後、強い動悸で救急搬送されたが、検査では心臓・血液に異常はなし。ストレスによるものと診断。

メンタルクリニックにも通院し、不眠や抗不安薬、漢方、吐き気止めなどを服用中。過去には卵巣嚢腫の既往あり。

 

胸の圧迫感やドキドキする音を強く感じるようになり、些細な音にも過敏に反応してしまい、スーパーやショッピングモールなどの人混みに行けなくなるほど不安が強い状態で来院。

検査・初見

●座位での所見

  • 右骨盤に硬さあり
  • 第5胸椎に硬さあり
  • 仙骨部に硬さあり
  • 頚部伸展の可動域制限

●仰臥位での所見

  • 背部に緊張あり
  • 後頭部(後頭下筋)の緊張が強い
  • 胸骨・鎖骨・肋骨に硬さあり
  • 股関節屈曲時に詰まり感あり
  • 横隔膜に硬さあり
  • ストレステストによる筋力弱化なし(パニック発作的反応なし)

●その他

  • 神経学的統合不全:問題なし
  • 仰臥位でも抗重力筋の緊張が強く、自律神経的な緊張が疑われる
  • 胸骨まわりの硬さが胸の圧迫感に関与していると判断
  • 下肢のソワソワ感・股関節痛から下肢の循環も課題と考えられる

施術方針とプラン

初見から全身に強い緊張があり、自律神経の乱れが症状に大きく関わっていると判断。

 

特に以下を目的に施術を進めました。

  • 抗重力筋(首・背中・骨盤まわり)の過緊張の緩和
  • 胸部(胸骨・肋骨まわり)の可動性改善
  • 横隔膜の硬さの解消
  • 下肢循環と股関節の動きのサポート

 

自律神経が過敏になっているケースほど無理に刺激を入れずに、体が「ゆるむ方向」に丁寧に誘導していくことを最優先にしています。

施術内容と経過

●初回
後頭下筋群の過緊張を調整

頚椎の可動調整

その後に腹部の施術

 

●2回目

睡眠が少し改善し良く眠れた日が増えた実感あり

お腹の調子が乱れ、緩くなったため腹部の施術は控える

ソワソワ感の変化はまだなし

 

●3〜5回目

身体全体が楽になり、家ではソワソワ感が気にならない場面が増える

緊張感・不安感も軽減傾向

座位での動悸が残る

 

●6回目

仙骨の硬さに注目し、仰臥位でじっくり施術

お腹の不調が改善傾向に

 

●7回目

お腹の状態が改善してきたため、同意を得て横隔膜の施術を再開

イヤープル(耳の施術)を実施し、セルフケアも指導

 

●8回目

胸の違和感・ドキドキ感が改善するも圧迫感や緊張はまだ残る

肝臓のリフトを追加

 

●9回目

前回の施術後、とても楽だったとのこと

→狙いに問題なしと判断し、同様の方針を継続

 

●10〜11回目

当初の主訴である動悸・不安感が大きく改善

息苦しさが残るため胸部の硬さに重点を置く

 

●12〜14回目

息苦しさも改善し、薬も減らせている状態

 

●15回目以降

呼吸の浅さなどの症状はあるものの、当初の主訴は大きく改善

薬をさらに減らすため、継続して施術

今回の症例まとめ

今回のケースでは、
「自律神経の過敏化」と「胸部・横隔膜まわりの硬さ」 が動悸やムズムズ感、不安感に影響していると考えられました。

 

特に、

  • 抗重力筋の過緊張(首・背中・骨盤まわり)
  • 胸骨・肋骨の硬さ
  • 横隔膜の可動性低下

が重なっていたことで、呼吸が浅くなり、動悸や不安感が強く出やすい状態でした。

 

施術では、

  • 首〜背中の緊張緩和
  • 胸まわりの可動改善
  • 横隔膜の調整
  • 下肢循環のサポート

を中心に進めることで、動悸やムズムズ感、不安感、睡眠の不調などが少しずつ落ち着き、日常生活が送りやすくなっていきました。

 

「強い不安」「体のムズムズ」「動悸」は、心臓の問題でなければ、自律神経の緊張が背景にあることがよくあります。

今回の例のように、身体を整えるアプローチが症状の改善につながるケースも少なくありません。

 

もし同じような症状でお悩みであれば三玄堂の施術がお役に立てるかもしれません。

遠慮なくまずはご相談ください。

この記事を書いた人

嘉村

嘉村佳紀(かむらよしき)

柔道整復師

横浜市出身

大手整体院グループを経て2023年に三玄堂に入職

丁寧な施術と豊富な知識で患者さんの信頼を得る。得意な症状は自律神経系や頚部疾患

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