【症例記事】逆流性食道炎による食後の気持ち悪さ・胃もたれでお悩みだった女性のケース

胃もたれ

はじめに

この記事では、

・食後に起こる気持ち悪さ

・胃もたれ

・薬を飲んでも抑えきれなくなってきた不調

といった逆流性食道炎の症状でお悩みだった女性のケースをご紹介します。

 

これまで薬や食事の工夫で対処できていた症状が、年齢や体調の変化とともに改善しにくくなることは少なくありません。

 

今回の症例では、身体のどこに問題があり、どのような施術が回復につながったのかを、経過とあわせてまとめています。

主訴・患者データ

患者さん:52歳 女性

主訴:逆流性食道炎

 

食後に胃もたれや気持ち悪さが起こる

薬で症状を抑えていたが、次第に効きにくくなってきたため来院

来院までの経緯

40歳の頃、人間ドックで 食道裂孔ヘルニア を指摘されましたが、自覚症状はありませんでした。

 

45歳頃から食後の気持ち悪さが出始め、胃腸科で処方された薬で一時的に改善。

49歳で再び症状が強くなったものの、食事内容の見直しによって落ち着きました。

 

しかし51歳になり、食後の胃もたれや吐き気が再び強くなり、これまでの対処法では改善が見られなくなったため、来院されました。

検査・所見

●座位での所見

  • 左骨盤の硬さあり
  • 仙骨部の硬さあり
  • 第7胸椎の硬さあり
  • 呼吸が浅い
  • 猫背姿勢
  • 頚部伸展の可動域減少
  • 頚部伸展時の痛みあり

 

●仰臥位での所見

  • 背部の緊張あり
  • 後頭部の緊張あり
  • 胸骨および鎖骨の硬さあり
  • 横隔膜の硬さあり
  • 頭の重さあり

 

●評価

全体的に緊張が強く、特に 胸郭(胸骨・肋骨・鎖骨)と横隔膜の硬さ が目立ちました。

 

また、姿勢不良や頚部の可動制限から、自律神経のバランスが乱れやすい状態と判断しました。

 

逆流性食道炎の症状は、胃そのものだけでなく呼吸・姿勢・胸郭の動き が大きく影響するケースが多く、今回も同様のパターンと考えられました。

施術方針とプラン

強い緊張と胸郭部の可動制限が見られたため、自律神経へのアプローチ と 胸郭の動きを改善する施術 を併せて行う方針としました。

 

主な目的は以下の通りです。

  • 抗重力筋(首・背中・骨盤まわり)の過緊張の緩和
  • 肋骨の硬さの解消
  • 胸骨・鎖骨の可動性改善
  • 横隔膜の硬さの解消

呼吸が深く入り、身体が「リラックスしやすい状態」をつくることを重視しました。

施術内容と経過

●初回

  • 抗重力筋の過緊張を緩和
  • 胸郭の可動性を出す施術
  • 横隔膜の硬さ改善を目的とした調整

→ 施術後は身体の緊張がやや抜けた印象

 

●2回目

初回検査時に見られた 頚部伸展時の痛みが改善

食後の気持ち悪さも程度が軽減

施術内容は初回と同様に継続

 

●3〜5回目

胃もたれ感が出やすく、横隔膜の硬さが再び強く出現

施術の順序を頚椎の調整 → 横隔膜の調整に変更

 

特に 第3頚椎のゆがみ が強く見られたため、横隔神経との関連を意識しながら施術を行いました。

 

●6回目

食後の気持ち悪さがさらに軽減「空気が吸いやすい感じがする」との自覚あり

 

●7〜12回目

症状の程度が少しずつ減少

経過は良好と判断し、同様の方針で施術を継続

 

●13回目

当初のような強い症状は落ち着き、食べる量や内容によっては軽い気持ち悪さが出ることはある

 

ただし、セルフコントロールと施術を併用することで長引いたり悪化したりすることはなくなった

→ 3週間〜1ヶ月に1回の施術 で状態を整える方針に移行

まとめ

今回のケースでは、強い緊張・姿勢不良・胸郭および横隔膜の硬さが逆流性食道炎の症状に大きく関与していました。

 

ポイントは以下の通りです。

  • 猫背姿勢と胸郭の硬さ → 胃や食道への負担増加
  • 横隔膜の硬さ → 呼吸が浅くなり、自律神経が乱れやすい
  • 頚椎(特に第3頚椎)の問題 → 横隔神経との関連

 

施術を通して

  • 胸郭の動き
  • 呼吸のしやすさ
  • 身体全体の緊張

を整えることで、食後の気持ち悪さや胃もたれは徐々に軽減しました。

 

薬や食事管理だけでは改善しにくくなった逆流性食道炎でも、身体の緊張や動き、自律神経の状態 に目を向けることで、症状が落ち着くケースがあります。

 

この記事が同じようなお悩みの方の参考になれば幸いです。

この記事を書いた人

嘉村

嘉村佳紀(かむらよしき)

柔道整復師

横浜市出身

大手整体院グループを経て2023年に三玄堂に入職

丁寧な施術と豊富な知識で患者さんの信頼を得る。得意な症状は自律神経系や頚部疾患

はりきゅう・整骨院三玄堂